2007/08/18

グラース 7月19日(木) - 門は叩いて開ける

7/19(木)- 門は叩いて開ける

早起きして、ヨガをやる。
パフューマリーは、思った以上に体を使う仕事なのです。
水をいっぱい飲んで(1日に軽く3リットル以上飲んでます)、汗をかかないと、
匂い物質が体に蓄積して、
うまく嗅げなくなってしまうのです。
ヨガをやると感覚が鋭敏になるし、体もきれいにしてくれるので、ちょうどいい。


(朝日の気持ちいいB&Bの部屋)

わたしは匂いを嗅ぐ時、
呼吸をコントロールすることで嗅覚の焦点をコントロールしようと試みてます。
ヨガの呼吸法をやってるみたいな感じです。
うまくできると、匂いのテキスチャーを繊細にとらえることができるようになる。
デジタルカメラに例えると、
2万ピクセルだった解像度が、10万ピクセルに上がる、といった感じかな。


(学校の正門)


(正面玄関にあるオレンジの木)

朝のテストはまあまあのできで、10種類中、8問正解。
一般的にわかりにくいといわれる香料を当てるかわりに、
これは簡単だよねといわれる香料を外したりする。

今日は更にいくつかの天然香料を嗅ぎつつ、
蒸留などの香料抽出法を学びました。
全部知ってることだったので、もの足りない・・・。

午前中最後に嗅いだアルデハイツ(合成香料)にどうも敏感らしく
気持ち悪くなりながら、ランチタイムに突入。

何を食べても、アルデハイツの味がします。
どういうことでしょう。
このアルデハイツ、名前もなんとなくムキムキで堅苦しく、とっつきにくいですが、
実際どんな匂いかというと腐った油とかヤニとか、とにかくネチネチしたにおい。
この香料、シャネル5番に初めて使われ、
フローラルな香りの発起剤となる画期的な香料とされるものだけど、
私は苦手らしいです。
香水全般が苦手なのには、ここに原因があるのでしょうか。
(香水学校に来てるくせに、ほんとうに香水とか化粧品とか苦手なのです。
これまで買ったことのある香水は、たったの3本・・・。
名前を知ってる香水さえ、両手で数えられるくらいかも・・・。)

ランチではなぜか、ロレンスの近くに座ることが多いので、話しが楽しい。
私のパートナー団体であるFoAMの「フレーバー・カプリング」の話しもしました。
先生は日本で抹茶チョコレートにハマったとか。
オレンジとチョコレートの組み合わせの素晴らしさも教えてくれた。
プロヴァンスでは、苺・ミント・オレンジフラワーの組み合わせが好まれるとか。
どんなのでしょうか。想像できません。
「スイカに、塩かけて食べると美味しいよ」と教えるジャパニーズ。
「ダークチョコレートには、塩を入れると甘みが増していいのよ」と教えてくれるフレンチ。


(チョコレート・ケーキもどことなくアルデハイツの味が・・・鼻と口がつながっている証拠。)


(シモンは、タルト・タタンをリクエスト。とっても幸せそう。)

午後、オー・デ・コロンのスキームを推測する作業。
スキームというのは、いわゆる香水のレシピのことで、
アコードの何倍も複雑。
私自身がいわゆるオー・デ・コロンのパフュームをあまり嗅いだことがない(だって持ってないもん)ことと、
ロレンスが私の答案の採点をミスったことで、
推測にかなり手こずってしまいました。
あまり知らないタイプのパフュームのスキームを推測するって・・・
たしかに難しい(笑)

その合間を見計らって、学校のヘッドクラスの人たちに話しをしに行きました。
ここに来たからには、香りの抽出についての技術的な知識ももっと深めたい。
明日は金曜日だし、今日の木曜日を逃したら捕まるのは来週だし、
それよりは早い方がいいと思われた咄嗟の判断。
(ヨーロッパ人は金曜の午後から週末休暇をとるので、金曜日はたいてい仕事にならないのです)
校長室を訪れ、私のプロジェクトを説明し、
「誰かいい人を紹介してください」。
すると自分もオランダ人だという校長先生、
「僕はもともと技術者です。月曜日に時間をとりましょう」と快諾してくれました。
校長先生自らが教えてくれるなんて・・・門は叩いて開けてみるものですね。
実は、ちょっと図々しいかなあと内心思った上での行動だったのです。
パフュマリーの世界は、ヒエラルキーが固く、保守的で秘密主義の世界だと聞いてましたから。

とりあえずの収穫に満足し、
授業後は、学校併設のプールで泳ぎました。
雲一つない空、まだ緩まない午後の太陽、垂れ落ちるブーゲンビリア。
水色のキラキラしたプール。
恥じらいのないトップレス。
ここは南仏コートダジュールなり。


(いちおうトップレスがいない時に撮りました。思わず探してしまいましたか?)


(学校帰りにいつも道ばたで匂いを嗅いだいちじくの木。)

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