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スコッチ・ウィスキー > ラプサン・スーチョン茶 > 正露丸

スコッチ・ウィスキーの LAPHROAIG を呑んでいたとき、
ふとラプサン・スーチョン茶が頭に浮かんだ。

LAPHROAIG は土っぽいスモークの香りとオーク樽の香りが香水のように口の中に広がるスコッチ・ウィスキー。いちばんのお気に入りのウィスキーである。

スモークの香りは、大麦を乾燥させる時に焚く泥炭の煙によるものらしい。泥炭とは、苔や枯れ葉などの植物が腐ってできた、石炭になる途中の状態のもの。

よく知られるように、ウィスキーはオークの樽の中で熟成される。オークは日本語で「楢(なら)」や「樫(かし)」と訳される。大まかに分類すれば、ドングリのあの木、柏餅の葉っぱのあの木と同じもの。

ふむふむ。
それではいったい、ウィスキーのこれらの成分のうちどれが、
私にラプサン・スーチョン茶を想起させたのだろう。

ラプサン・スーチョン茶を知らない方のために、少し説明しよう。
英語:Lapsang souchong
中国語:正山小種
wikipediaの正山小種の項

スモークの匂いがなんともたまらないお茶である。
紅茶を松の葉で燻蒸して、香り付けしているらしい。

なんだ。
ウィスキーと共通する成分はどこにもないではないか。

ひょっとしたら、ウィスキーの大麦を燻す時に使われる泥炭に、ラプサン茶の薫香の主成分である松の葉が紛れ込んでいるのではないだろうか。
泥炭の元となる落ち葉の中に松の葉が紛れ込んでいるのではと考えるのは、ヨーロッパのその辺の森や山の植生を参考にしてみると別におかしくない。

そういえばこのラプサン茶。
正露丸と似た匂いがするなと、昔から思っていた。
Wikipedia によると、「正露丸の主成分であるクレオソートの香りが松葉による燻製香とほぼ同じだから」なのだそうだ。

スコッチ・ウィスキー > ラプサン・スーチョン茶 > 正露丸・・・
スコットランドから中国へ飛んで、こんどは日本に来た。
匂いの連想ゲームは尽きることがない。

スープの香水のできあがり、そして晩餐会のキャンセル

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11/17



前日に蒸留したグリーンピースのスープは、アクが流れ込んでしまったため白濁している。
このアクが腐敗を促進してしまう可能性もあるので、
これをさらに蒸留して無色透明の液体を抽出しようと試みる。



順調に蒸留。一日では終わらなかったので、翌日(11/18)もプロセスを続ける。



11/19

できあがり

No.1 - 30ml
No.2 - 30ml
No.3 - 30ml
No.4 - 30ml
No.5 - 50ml 

合計 170ml とれたところで蒸留停止。
最初の2本まではちゃんとグリーンピースの匂いがする。
残りはいわゆる「カス」で、あまり匂いはしないことがわかった。

2回蒸留を繰り返したことで、匂いを濃縮させることができるかと期待していたが、
それほどでもなかった。
なぜだろう。

保存料 (Euxyl K) 0.02 % 加える。

これで準備万端、と思っていた今朝、
木曜日のイベントをキャンセルするという知らせが来た。
企画者でもありチーフ・シェフでもある友人マヤのお父さんが亡くなり、
至急故郷クロアチアに帰ることになってしまったのだ。
お父さんを看取れなかった上に、数ヶ月間にわたって準備してきたイベントをキャンセルせざるを得ない彼女。いたたまれない。
そういえばお父さんお手製のグラッパは、この世で最高の味だった・・・。
いつか機会があったら、お会いして手ほどきを受けたいと思っていたのに。

スープを香水に例えるとすると

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先日の実験に基づき、
「グリーンピースとミントのスープ」の匂いを抽出すべく、蒸留。

グリーンピースとミントの組み合わせがオランダの一般的なものかは不明ですが、
FoAMから依頼されたレシピなのでそのままやります。

レンゾ豆のスープには例えばコリアンダーの葉をふりかけたりしますよね。
日本だと、紫蘇や三つ葉を何かと使いますね。
それと同じような役割なんでしょうね、このミント。

11/15



生き生きとしたミントを買って来る。



グリーンピース。約200g。水に浸す。(ここで使う水は、蒸留水)



グリーンピースを数時間浸した後、下茹で。
フラスコの中でアクを出しすぎると、失敗してしまうので。



フラスコにスープを流し込み・・・・



ミントを加える。



蒸留。



ミントを使ったからか、ちゃんとした「精油」がとれた。
油の粒が水面に浮かんでいる。

このスープを香水に例えるとすると、
食するときに知覚する味は、
ミントはフレッシュな立ち上がりのトップ・ノート、
グリーンピースはずっしり・まろやかなミドル/ベース・ノート、だと思うのです。

スープを盛った後に何らかの緑を散らして「トップ・ノート」を作り出すのは、
わりと世界中で見られる料理法だと思います。

ところが今回できあがりの抽出液は、ミントの匂いが強すぎる。
あろうことかミントがトップ/ミドル/ベースに渡って支配している・・・。
ということで、失敗です。
ミントが多すぎたのも一因だろうし、
有機ではないグリーンピースを使ってしまったのも一因。
(実験の時は有機のものだったので、これよりは匂いが濃かったと思う。)

けれども失敗したことでいろいろ考えざるを得ず、
スープと香水、味覚と嗅覚の比較を思いついたことは何よりの収穫。
FoAMのイベントではパネラーもしなければならないので
(英語だし、しかも周りネイティブだらけだし・・・)
話すネタができたぞ。(^^)


11/16

豆だけを再び蒸留。
これでとれる抽出液と、前日の抽出液をバランスよく混ぜ、
パフュームのように「調香」してみようと思う。
こんどはケチらずに、ちゃんとオーガニックのグリーンピースを使う。



昼過ぎから蒸留器を回し始め、22:00現在まだ回してます。
低温でゆっくり抽出したつもりなのに、やっぱりアクが出てしまって、また失敗・・・。
今日とれる抽出液を明日もう一回蒸留にかけてみれば、無色透明な蒸留水がとれるかもしれない。
これもやったことはないので、やって…

とある実験

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11月22日のFoAM晩餐会にむけての実験です。
食とアートとサイエンスについてのシンポジウム/晩餐会です。
何の実験かは秘密。

秋の落ち葉の匂い - soxhlet抽出 -

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子供の幼稚園や保育園の送り迎えで毎日通る道。
約1月ほど前から、街路樹の落ち葉の匂いでいっぱいです。
その匂いを抽出してみようと、子供と一緒に枯れ葉を集めて来ました。
(ついでに銀杏もたくさん拾いました・・・。)



プラタナス、イチョウ、桜・・・少しアジアン・テイストの入ったこの近所の街路樹。



洗ってからフード・プロセッサで砕きます。



それをティーバッグに。



96% alcohol 200ml, Soxhlet extraction





夜になっても続けたけど、眠くなったので続きは翌日に持ち越し。
1回ティーバッグを交換。
全体で4〜6まわり。1つにつき2〜3回ずつ。



翌日、アルコール分を飛ばして濃縮させる。



出来上がり。
タール状の抽出物がとれた。(洗うの大変そう・・・)



残りの落ち葉は、Soxhletで残ったアルコールに漬けて、チンキを作る。



森の散策を想起させる、自然の香り。
美味しそうな香りでもあり、紅茶を連想させる。

グリーンピースとミントのスープの蒸留実験

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ワークショップが終わってホッとしたのもつかの間。
1日廃人状態になった後、
ほったらかしになっていた家事をなんとか軌道に乗せ、
次回の発表に向けてまた実験を始めました。

こんどは11月22日、FoAMの晩餐会での発表です。

まずは「グリーンピースとミントのスープ」の香水を作るべく、蒸留実験。(11/7)
グリーンピースのスープはオランダ圏の伝統的なスープで、日本でいえば味噌汁のようなものです。

グリーンピース splitserwten 100g (3時間漬け置き)ミント1枝蒸留水 400ml






アクが出て止まらない。
見てる分には綺麗なのだけど・・・。





灰汁が冷却器に流れ込んでしまった。
つまり、無色透明の蒸留水がとれない。
そこでスープの表面にオイルを張り、火力を1に落として蒸留してみる。




なんとか無色透明の蒸留水はとれたが、
灰汁を出さないためのいい工夫はできないものか。

匂いは悪くない。
グリーンピースの匂い、ミントの匂い、どちらも親しみ慣れた匂いなのだけど、
スープの中に一緒になると、よく交わって判別がつかなくなる。
まさに料理のマジック。

香水作りワークショップ - オランダの匂い -

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去る2007年11月3日、CBK Almere Corrosia(アルメーア市アーツ・センター)にて、匂いを抽出して簡単な香水を作る約1時間半のワークショップをしました。

参加者6名。それぞれ思い思いの匂いの「香水」を作りました。






家庭菜園とりたて芽キャベツの匂い ---> アルコール漬け



チーズの・花壇の花・アーモンドのお菓子・ヘアームース・ワインなどの自分の好きな匂いカクテル ---> アルコール漬け



シンタクラース祭のお菓子の匂い ---> アルコール漬け







ペットの犬の匂い ---> パウダー漬け





パンを焼く時の匂い ---> ドウをフラスコに入れて水蒸気蒸留









干し草の匂い ---> アルコールでsoxhlet抽出



ワークショップが終わる頃に展覧会のオープニング・パーティ。
その間、蒸留器と抽出器を回し続けていたので、ビジターはそのプロセスを見ることができました。アルコールやパウダーに漬けているものたちは、2ヶ月の展示期間に渡って匂いが抽出され続けます。ビジターはそのプロセス、つまり途中の匂いを嗅ぐことになります。



Miso Soup Perfume -味噌汁の香水-

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Lelystad にある Kubus での展示です。
昨日設置してきました。
エア・スプレーのように空に噴射し、その匂いを嗅ぎます。

試しに我が家に滞在中の日本人の友人に嗅いでもらったところ、
「ん?・・・なにか懐かしい匂い。なんだろう。」
とのこと。(^^)