月桃と、SDG と、ベートーベンと、マグリットと(とりとめのない雑記)

とある販売向け作品のラッピングを試行錯誤する今日。近所の月桃を摘んで、ラッピング資材にしてみました。

100% 自然に還る素材です。おまけに黴防止効果もあります。金曜日から展示するフサキビーチリゾートのショップにて、この3本のみ販売する予定です。

 残りの月桃が勿体無かったので、急遽この香りを抽出して、キャンドル作り。ちょっと足りなくなったので、また辺りを散歩して摘んできました。
月桃は、ここ石垣島では、いくら摘んでも罪悪感のない素材です。自然の中で暮らすと、当たり前にある感覚。これをビジネス的にはSDG的、と呼ぶのでしょう。こうPRすると、取り上げてもらいやすいし、売れやすい。世知辛い世の中です。

昨日はベートーベンについての番組を観ました。おりしも最近、近所の子供達にピアノを教えており、課題曲にベートーベンの「エリーゼのために」を使っているところ。初めてピアノを触る子たちには難しい曲で、普通の先生なら絶対に選ばないだろうけど、わたしはこの美しく哀しげなメロディーが大好きで、何度聴いても飽きることがないという理由で、簡易化して弾いてもらっている。

「エリーゼのために」は、嫁いでしまう(好意を寄せていた)女性に贈った曲なのだそうです。いわゆる、成就しない恋の曲。ベートーベンにはそういった切ないメロディーの曲がいくつかあります。別れをたくさん経験するところからも、ものすごい才能はあったけど、あまりモテない男性だったのかなという推測が働きます。

でもその情熱を才能によって昇華し、こうして後世に残してくれていてありがたいと思う。わたしがベートーベンの中でいちばん好きなのは、「テンペスト」です。聴くのも、弾くのも好きです。フレーズがストラクチャーによって重なり、変化し、また重なり、とまさに音の芸術。リストの「ラ・カンパネラ」も、弾くのは好きだけど、ちょっと冗長だし、ベートーベンのように緻密にストラクチャーを構築しているわけではなく、どちらかというと技術力を問う練習曲。大学受験にいち早く推薦で合格し、残りの高校生としての時間をこの曲に費やしてようやく弾けるようになった曲。そういえば私、ピアノ好きだったな。実はプロの道を勧められるほどでした。(絵も描けたから、結果的には美術の方に進むことになったけど)

昨日初めて知って驚いたのですが、ベートーベンは、それまで「宮廷の食卓BGM」的存在だった音楽を、「音楽として、それだけで聴くに値するもの」へと地位を高めることをした、いわゆる音楽の革命児なのだそうです。つまりコンサートやライブなど、現在私たちの知っている音楽の鑑賞のかたちを発明した、といっても過言ではない。わたしは音楽には無知すぎて、これまで知りませんでした(おい!)

香りに例えると、その革命児的な存在は、ルネ・マグリットかな。その系譜は確実にイタリアの未来派に受け継がれ、フルクサスに受け継がれ、、、その延長線上に、私などの現代の作家がいる。日本ではあまり知られていないけど、誰か、ちゃんと書いてくれないかな。





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