もしも新型コロナウイルスが匂って、見えるものだったら / If the COVID-19 were fragrant and visible

 



こんなご時世に、また地球の裏側からの展示依頼が舞い込んできた。こんどはドイツのブレーメン。来年5月に来てくれとのこと。

コロナ禍での海外プロダクションは、今年3月の台湾(世界に先駆けて汚染国となった頃だった)、9月のパリ(第二波の始まりかけだった)に続いて3度目となる。ありがたい話ではあるけど、またかぁ〜という気の重さもある。イベントが自粛対象になったり、わたし自身が行けなかったり、現地でウイルスをもらって滞在が長引いたり、そういった幾重ものシナリオを想定してプロダクションしないといけないからだ。今度こそ楽になっていて欲しいけど、いくらワクチンができたからといって、まだそうもいかないだろう。

先日、ふとフェースブック上で「コロナが拡散するのは、まるで香りのようだ」と呟くと、共感してくれる嗅覚仲間がいた。やっぱり見える人にはそう見えるのだ。私自身、これまでの海外展示で、感染せずに乗り越えてきたのも、こういった見えないものを見る意識を持てたからだと思ってる。(つまり、現地で友人と会わない&外食しないと決心することができた)

先週、ドイツのオーガナイザーと、展示内容を話し合った時に、「covidに関する作品もアリかな〜」と呟くと、ぜひにと切望された。新作になるので、リスクありまくりだけど、先方に望まれるなら、チャンスだ。ちょっとやそっとの困難を共に乗り越えてくれるから。

「新型コロナウイルスの拡散を香りの拡散に喩えてみたら。さらに、ビジュアル化してみたら。」そんな作品となるだろう。コロナウイルスも香りも、ともに空気を媒体として拡散する。ビジュアル化するに当たって、何かいい方法がないかなぁと考えてたところ、この前のビーチパーティーでサイケな装飾を見た後に「蓄光塗料!」と閃いてしまった(笑) 今日はそのサイケ装飾の張本人のところに行って、美味しいランチいただきながら塗料を見せてもらい、いろいろ発注をかけたところ。

コロナ禍はいろんなことを露呈しました。ここぞとばかりに人徳を発揮する人もいれば、ストレスに耐えられず酒に溺れたりする人もいて、自粛警察やら、経済回す派やら、賛成やら反対やら、価値観も様々に入り乱れています。私は、敢えて言いますが、どの価値観にも所属しません。自粛でも経済でもありません。ウイルスは、香りのように見立てて、自衛する対象であり、作品のテーマとなりうる研究・観察対象です。

日々遊んでるようにしか見えない私ですが、ちゃーんと仕事もしてるんですよ(笑) 




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