制作ノート(2) 丸山遊女の匂い
江戸時代のベストセラー化粧水「花の露」の制作
江戸時代の薬用美白化粧品「美人香」の制作
都風俗化粧伝(1813)に載ってる作り方に「原材料を轢いて絹の布で濾す」とありまして、困りました。絹の布といってもいろいろあり、オランダの生地屋さんで手に入るのは日本の絹布とは目が違うだろう、と思われたからです。そこで、持っている古い着物から絹の布をはがすことにしました。ケーキ型とヘアバンドを駆使して、簡易型の篩(ふるい)を作りました。
やっぱり絹で濾したものは、目がきめ細かい。最初は木綿でやったのだけど、断然絹の方がいいです。
美人香は、あらい粉として、パックとして、そして化粧下ローションとして、いろいろな使われ方をされたようです。美白願望は今も昔も変わりません。漢方の生薬っぽい匂いです。
都風俗化粧伝(1813)にある通り、ゴマ油と水を足すと、緑豆の成分で乳化し、ローション様になります。江戸時代にはローションやクリームはなかったというのが定説ですが、これこそローションでは、と作りながら私は思いました。
江戸時代のベストセラー 鬢つけ油 「伽羅の油」の制作
この「伽羅の油」は魅惑的で助情的な香りのする、バター状の化粧品。いわゆるお相撲さんの匂いでもあります。
オイル・マセレーションで香料を抽出中
ロジン(松脂)
天然竜脳
固まる途中、なぜか変な模様が・・・しかもひとつひとつ違うのです。とってもキレイ。
お歯黒の制作
五倍子粉(ふしこ)。アブラムシの刺激によってウルシ科のヌルデの木にできる、木の瘤(こぶ)です。
割ってみると、アブラムシの死骸と思われる白いツブツブが・・・ こんなものを歯につけるんでしょうか?!
気持ち悪かったけど、そのまま轢いて粉にしました。
3ヶ月前に仕込んでおいた鉄漿水(かねみず)と混ぜるとあーらフシギ、真っ黒に・・・というわけにはいきませんでした。茶色です。以前お歯黒を作ったことのある方によると、3ヶ月では黒くはならないとのことでしたので、もうちょっと時間が必要なのかもしれません。でも匂いのタイプはわかります。やっぱり顔をしかめてしまうような匂いです。これを歯につけるというのは、まあ慣れの問題なのでしょうけど、私は遠慮したくなります。
匂い袋の制作
「薫集類抄」に載っている、おそらく10世紀前後のレシピをもとにしました。いかにも古くさい、古風な匂いです。湿気のある気候に似合いそうな。
私のネームカードでもあります。
白粉(おしろい)の制作
むかしのレシピだと、水銀とか鉛とか現代では体に悪いとされているものばかり使われていますので、現代版に置き換えて、ドイツの手作りコスメ本を参考にしました。
水に溶いて塗ると、ちょっとユーレイみたいになります。
山田憲太郎氏の「香料」という本によると、江戸時代のおしろいは本来あまり匂いのしないものとされています。しかし氏の節々の記述から、氏が思うおしろいの匂いといえば「麝香・竜脳」ということもわかったので、そのように匂いづけしました。むかしの「脂粉の香り」という表現は、このような匂いを指すのかな・・・と想像してます。(どなたかご存知の方は教えてください。)
体身香(飲む香水)の制作
丸める作業は、日本からわざわざお手伝いに来てくれた(!)ミヒロちゃんにお願いしました。たいへんお疲れさまでした・・・
江戸時代の薬用美白化粧品「美人香」の制作
都風俗化粧伝(1813)に載ってる作り方に「原材料を轢いて絹の布で濾す」とありまして、困りました。絹の布といってもいろいろあり、オランダの生地屋さんで手に入るのは日本の絹布とは目が違うだろう、と思われたからです。そこで、持っている古い着物から絹の布をはがすことにしました。ケーキ型とヘアバンドを駆使して、簡易型の篩(ふるい)を作りました。
やっぱり絹で濾したものは、目がきめ細かい。最初は木綿でやったのだけど、断然絹の方がいいです。
美人香は、あらい粉として、パックとして、そして化粧下ローションとして、いろいろな使われ方をされたようです。美白願望は今も昔も変わりません。漢方の生薬っぽい匂いです。
都風俗化粧伝(1813)にある通り、ゴマ油と水を足すと、緑豆の成分で乳化し、ローション様になります。江戸時代にはローションやクリームはなかったというのが定説ですが、これこそローションでは、と作りながら私は思いました。
江戸時代のベストセラー 鬢つけ油 「伽羅の油」の制作
この「伽羅の油」は魅惑的で助情的な香りのする、バター状の化粧品。いわゆるお相撲さんの匂いでもあります。
オイル・マセレーションで香料を抽出中
ロジン(松脂)
天然竜脳
固まる途中、なぜか変な模様が・・・しかもひとつひとつ違うのです。とってもキレイ。
お歯黒の制作
五倍子粉(ふしこ)。アブラムシの刺激によってウルシ科のヌルデの木にできる、木の瘤(こぶ)です。
割ってみると、アブラムシの死骸と思われる白いツブツブが・・・ こんなものを歯につけるんでしょうか?!
気持ち悪かったけど、そのまま轢いて粉にしました。
3ヶ月前に仕込んでおいた鉄漿水(かねみず)と混ぜるとあーらフシギ、真っ黒に・・・というわけにはいきませんでした。茶色です。以前お歯黒を作ったことのある方によると、3ヶ月では黒くはならないとのことでしたので、もうちょっと時間が必要なのかもしれません。でも匂いのタイプはわかります。やっぱり顔をしかめてしまうような匂いです。これを歯につけるというのは、まあ慣れの問題なのでしょうけど、私は遠慮したくなります。
匂い袋の制作
「薫集類抄」に載っている、おそらく10世紀前後のレシピをもとにしました。いかにも古くさい、古風な匂いです。湿気のある気候に似合いそうな。
私のネームカードでもあります。
白粉(おしろい)の制作
むかしのレシピだと、水銀とか鉛とか現代では体に悪いとされているものばかり使われていますので、現代版に置き換えて、ドイツの手作りコスメ本を参考にしました。
水に溶いて塗ると、ちょっとユーレイみたいになります。
山田憲太郎氏の「香料」という本によると、江戸時代のおしろいは本来あまり匂いのしないものとされています。しかし氏の節々の記述から、氏が思うおしろいの匂いといえば「麝香・竜脳」ということもわかったので、そのように匂いづけしました。むかしの「脂粉の香り」という表現は、このような匂いを指すのかな・・・と想像してます。(どなたかご存知の方は教えてください。)
体身香(飲む香水)の制作
丸める作業は、日本からわざわざお手伝いに来てくれた(!)ミヒロちゃんにお願いしました。たいへんお疲れさまでした・・・
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