カラダの匂い(今夏のサバイバル法)





この夏は東京首都圏では節電が謳われ、あらゆる場面で普段よりももっと汗をかくことが予想されます。

じぶんの「腋臭(ワキガ)」など、カラダの匂い、気にならない人はあまりいないでしょう。(女性なら、生理のときもタイヘンですよねー!)

すでに「汗取りパッド」「デオドラント」などの消臭・抑汗グッズがいろいろ販売されているようですね。

では冷房のない時代に生きていた人たちは、どうしたのだろう・・・と考えてみました。お風呂だって現代のように望めばいつでも入れるというわけではなかったでしょうし。そもそも着物だって、四季折々に洗い張りをするくらいで、現代のようにこまめに洗ったわけではないですしね。

そもそも、体臭なんてたいして気にしなかったのかも。

自然の中ではとくに、そんなもの気にしてられませんからね。いま私は石垣島で、毎日海で泳いでいますが、そもそも人があまりいないので、迷惑かける相手もいない (^^) じぶんのニオイは気になりますが、それが「悪」となることがないので、都会のように精神的なプレッシャーとなることはない。そんなことより、変な虫から身を守ったりすることの方が切実です。

ニオイとは不思議なもので、嫌悪感を抱くか抱かないかというのは、生理的な反応ではありますが、精神的な要素もかなり大きく影響しています。私も自分のニオイは都会では嫌ですが、自然の中ではたいして気にならなくなります。

そもそも人の本来のニオイって、家族にとっては「安心するニオイ」として、大切にされてきたのではないでしょうか。それが現代生活では、「にっくき敵」となってしまうんですね。

古来の日本人は、あまり「消臭」ということは考えませんでした。いつの時代も日本人は「和」を尊びます。「匂い袋」というもので着物に香りをしたため、体臭を和らげることを好みました。この「匂い袋」は「えび香」とも呼ばれ、いつか展示用に平安時代のレシピを再現したことがありますが、ちょっとクセがあり、それ自体はあまりいい香りとはいえない代物でした。でもそれが体臭と混ざると、調和されて、「なんともいい香り」になったんだろうな、と想像されます。

その他にも、お金持ちの層なら香木を焚いて、髪や着物に高貴な香りを薫きしめたようです。髪や着物についた汗の油分が、ちょうど良い具合に「香りの吸着剤」となったのだろうと想像されます。煙は防虫剤の役割も果たしました。

さて、こんな先人達の知恵を参考に、汗をたくさんかきそうな今年の夏は、具体的にどうしたら良いのでしょう? ちょっと考えてみました。消臭グッズもいいですが、逆に香りを楽しむ方法もあるかもしれません。

(1)体臭を中和してくれる香り(精油)をキャリアオイルに薄めて、香油を作っておき、香水代わりに使うという手もあります。ここで使える香りは、白檀、シナモン、クローブ、セダーウッド、イランイラン、ローズ、ホワイトムスク、アンバー、などでしょうか。30mlのキャリアオイル(ホホバ油がオススメ。サラッとしてるし、無臭なので)に10滴ほど加え、それを耳の後ろ、首筋、脇の下、内股など、汗をよくかく場所に(こまめに)塗ります。自然な香りなので、嫌な印象を周りに与えません。ここに挙げた香りなら、好みで数種類をブレンドしても素敵な香りになるはず。

(2)「匂い袋」の活用も良さそう。たとえば鳩居堂さんの「匂い袋」は柑橘系の良い香りです。洋服タンスに入れておいて、服に香りをしたためておきます。きっと服に染みた汗が蒸発するときに、ふわっと心地よい香りと混ざり、中和してくれることと思います。つまり、汗が良い香りを運んでくれる!というわけです。(服に香りが染み渡ってないとこの効果は期待できません。香りが染みるのにも時間がかかります。最低1週間。匂い袋は毎月取り替えましょう)

(3)扇に香りをしたためておく。上記の精油をコットンに数滴垂らしたものと一緒に、ジップロックに入れ、香りを移します。昼間は取り出して使用、夜はジップロック、というふうに毎日続けてやると、香りの持続力も上がります。扇をあおぐと、汗のニオイが素敵な香りと混ざって蒸発するはず。

(4)カラダのニオイをマスクするために「香水をたくさんつける」という方法はあまりオススメしません。というのも、夏はただでさえ空気が「ムワッ」としてますし、日本ではそういう文化が好まれません。香水をつけるなら、控えめに、こまめに・・・ あくまでも「和」を念頭に。

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