いちばん良いのは、「自分が楽しいから」作ること
私が個人的に提供している通信教育「フレグランスアートコース」(www.pepe.okinawa) の25人ほどの生徒さんたちとは、毎月少しばかり制作相談の時間を取っているのですが、寄せられる相談や質問が私のヒントになることが多々あります。すべてを記録して公開したいくらいの、良質な会話をしていると思います。
先日は、「ワークショップを2月にやって欲しいと頼まれたけど、なにをやったら良いか、、、ワークショプの後には、嗅覚によって得られる違う世界観を持ち帰って欲しいのだけど」という相談。
3つのポイントがあります。
まず一つ目は、多くの参加者にとって嗅覚ワークショップは初めてのことだから、なにをやってもある程度はその目的は達成できるということ。
二つ目は、最終的にはアーカイブはインスタなどビジュアルで残すだろうことが想定されるので、どのようなイメージを残していきたいかをビジュアルでも考えること。今の時代、伝わるのはどうしてもSNSを介して。なので、文字と視覚情報が大切。匂い探索系のワークショップだったら、アーカイブは、そのワークショップを一枚の写真で俯瞰して見られるものが良い。例えば、参加者が匂いから感じた感想を言葉にし、アロマホイールにしたり、地図データにマッピングしたり、三次元データベースにしたり。実際の空間を模型にして、ポストイットで旗を作って刺したり。
制作系のワークショップだったら、できあがったものを一堂に介して、どのように写したら第三者に伝わりやすいかを考えるのが良い。伝わらなかったら、いくら「こんなことをやりました」と主張しても、それは瞬時に消費されて消えていってしまうワークショップとなってしまう。
匂いのことをやると「いい匂い〜」「楽しかった〜」の感想は容易く得られるが、それで終わりがち。もちろん初回はそれでもいいが、続けていきたいのであれば、チャレンジがないと、主催者側のモチベーションももたない。
三つ目のポイント。誰もやらなかったことをやってほしいということ。昨今の日本国内での「香りのアート」展示は、プロの展示においてさえ、「好きな香りを選んでください。それに合ったメッセージカードが用意されています」といった、占いとかおみくじ?オラクルカード?的なものが目につく。双方向性を重視したものということはわかるが、そんなことは日本のアロマセラピー界隈の方たちが、既に趣味的にさんざん実践していることだと想像した方がいい。鑑賞者の目は案外厳しい。「アート展というから期待して行ったけど、なーんだ、私がやってることとどこが違うの?」と言われることになる。おみくじ的なものはなんであれ、体験者に喜んでもらえるから、サークルやクラブなどで行うなら、こういう展示やワークショップはいいと思う。でもプロがやるのは微妙だ。こういったことからも、どれだけ香りの表現がたやすく、同時にむずかしいものであるかがわかるだろう。特に日本において。
なので、自分で選んで欲しい。みんなが望むことを安全に遂行するのか、それともクリエイター的に新しいことにチャレンジするのか。どちらでもいい。どちらでも「自己実現」「自己表現」はできる。ただ、同じような表現をする人が増えたら、それはデフォルトになる。新しいことをやったなら、あなたの新規性や評価はいつまでも残る。この違いがある。
難しいいことを言っているし、厳しいことも言っているけど、簡単です。いちばん良いのは、「お客さんが喜んでくれるから」という指標で何かを作るのではなく、「自分が楽しいから」という指標で作るかどうか。日本人はみんな善人すぎて、後者になれない人がほとんどです。もっと自分本意、マニアックになっていいんですよ。お客さんは自分1人だけだった、そんなワークショップや展示も、私はけっこう好きです。
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今日はprimeで「マチネの終わりに」という映画を見ました。40代のラブストーリー、しっとりしていて良かったです。パリの連続テロか。そういえば昨年までは、当たり前にテロが脅威だったのですよね。今の脅威はコロナちゃん。テロの脅威がガクッと減ったのが興味深い。人間、二つも三つも脅威は持ち続けられないのだろうか。逆に、何かしら脅威がないといけないのだろうか。
そして私もこんなギタリストがいたら恋に落ちるだろうなあ、と。福山雅治でなくったっていいから、「映画」「料理」「本」「音楽」など、何かしら趣味を持つ人は豊かで素敵だなあ、、、特に、自分の生きがい(仕事以外の)を見つけて孤独に過ごさないといけないこのご時世においては。、、、とまあ、独り言でした。
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