「白い闇」プレス・リリース
来週から始まる「白い闇」のプレス・リリースです。オープニング・レセプションは関係者の招待制です。もしアート方面(あるいは香り方面)の方々で、いらっしゃれる方は私にご連絡ください。
オカムラデザインスペースR
第11回企画展
タイトル: 「白い闇」
企画主旨:
オカムラデザインスペース(ODS-R)は、毎年1回の企画展として「建築家と建築以外の領域の表現者との協働」を基本コンセプトに、一人の建築家を選び、「いま最も関心があって、挑戦してみたい空間・風景の創出」をお願いしてきました。但し目指すのは、建築家の個展ではなく、建築家ともう一人の表現者が協働することで初めて可能になる新しい空間・風景づくりです。
そのODS-Rも今年で11年目になり、建築家のヨコミゾマコト氏、そして協働者にMaki Ueda氏を迎えます。昨年の12月から毎月1回の打ち合わせを重ねて、タイトルは「白い闇」と決まりました。
通常、建築家の仕事は空間をつくることですが、それは同時に空間の境界をつくることでもあります。境界が存在することによって、その内側のモノや状況がある状態に保たれ、他と区別され、守られます。空間を扱う職業である建築家は日々、その境界のあり様を考え続けていると言えます。あるいはまた、境界ができれば、閉じられた有限な領域が発生しますから、建築家は、有限な領域をつくり続けているとも言えます。
ODS-Rで試みられるのは、建築家にとっても、おそらく一般の人々にとっても、このような日常とは真逆に位置する、「無限に広がる境界のない空間」の創出です。広大な宇宙のように無限に広がる空間をつくってみたい。たとえ、物理的には不可能であっても、人の感性と想像力によってそれを可能にしたい。この不可能を可能にするために、ヨコミゾ氏と、嗅覚のアーティストUeda氏が協働します。ヨコミゾ氏の説明によれば、「形によって空間と時間をデザインする建築家と、形がないもので空間と時間をデザインする嗅覚のアーティストとのコラボレーション」です。
白いだけのまったく何もない空間。静かで豊かな空間ですが、そこは、視覚によって意味を読み取れるものが何も存在せず、それがゆえに自ずと嗅覚と聴覚が研ぎ澄まされます。嗅覚がかすかに捉える何か。匂いは日常世界に溢れていますが、私たちは、「ああ、これは何々の匂いだ」と単純に理解して済ませる傾向があります。実は、未解明の部分が多い領域であって、嗅覚は視覚や聴覚に比べると原始的かつ直感的で、記憶に直結する感覚だとも言われています。その嗅覚に刺激を与えて、人のもつ無限の感性と想像力を活性化させることが、今回の企画展の狙いです。
(企画実行委員長/川向正人)
企画建築家:ヨコミゾマコト氏(建築家)
協働者:MAKI UEDA氏(嗅覚のアーティスト)
開催期間: 2013年7月23日(火)~8月9日(金)10:00~18:00 (7月28日、8月3、4日は休館)
会場: オカムラ ガーデンコートショールーム
〒102-0094東京都千代田区紀尾井町4-1
ニューオータニ・ガーデンコート3F Tel : 03-5276-2001
シンポジウム: 「知覚と空間」
2013年7月27日(土)15:30~17:30 (定員80名)
パネラー:ヨコミゾマコト+MAKI UEDA、アンカーマン=川向正人
ワークショップ: 「嗅覚と空間認識〜犬のように空間を探る〜」
2013年7月27日(土)13:00〜15:00(事前予約制:先着15名)
ギャラリートーク:アーティスト達と匂いや建築、空間や知覚について語らう場。
2013年7月24日(水)、8月2日(金)、5日(月)、8日(木)19:00〜21:00
■参加申込・お問い合わせ先:
株式会社 岡村製作所 [お客様サービスセンター] フリーダイヤル 0120-81-906
入場料: 無料(展示、シンポジウム共)
主催: 株式会社岡村製作所
後援: 日本建築家協会、日本建築美術工芸協会、東京インテリアプランナー協会/協力: 株式会社山本香料
twitter: @invisiblewhite facebook: facebook.com/invisiblewhite
■企画建築家・協働者 プロフィール■
ヨコミゾ マコト(日本)
建築家
1962年 神奈川県生まれ
1984年 東京藝術大学美術学部建築科卒業
1986年 東京藝術大学美術学部建築科大学院修了
1988年 伊東豊雄建築設計事務所入所
2001年 一級建築士事務所
aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所開設
2009年〜 東京藝術大学美術学部建築科准教授
受賞歴:
東京建築士会住宅建築賞金賞(2005年)
日本建築学会賞作品賞(2006年)
日本建築家協会賞(2006年)
International Architecture Award(2006年)
日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞金賞(2007年)
MAKI UEDA(日本/オランダ)
嗅覚のアーティスト
1974年 東京生まれ。アートと嗅覚の融合を試みる「嗅覚のアーティスト」。世界的に流行の兆しを見せている「嗅覚のアート」のリーディング・アーティストのひとり。2000年よりオランダに移住、現在は日本とオランダに拠点を置く。
視覚的な要素を排除した、匂いだけによる嗅覚体験を提供する作品を発表する。目には見えない匂いが、想像を膨らませたり、知覚の混乱を誘う役割を担う。こうして幼少の思い出の匂い、アイデンティティの匂い、感情の匂い、歴史の匂いなどを作り出し、インスタレーションやワークショップなどの形で作品を発表している。
食べ物や体臭など、ありのままの匂いを素材から抽出し、「香水化」する手法を独自に編み出すなど、素材レベルでの試行錯誤を得意としている。匂いを展示するためのインターフェースなども独自に制作する。特に嗅覚の知覚的な側面、錯覚や方向感覚に興味を持つ。
慶應義塾大学環境情報学部(学部1997卒、修士1999卒)にて、藤幡正樹氏に師事、メディア・アートを学ぶ。2000年文化庁派遣若手芸術家として、2007年ポーラ財団派遣若手芸術家として、オランダ&ベルギーに滞在。2009年、ワールド・テクノロジー・アワード(カテゴリー:アート)にノミネートされる。オランダ王立美術学校&音楽院の学部間学科Art Science や、ロッテルダム美大ウィレム・デ・コーニングアカデミーにて教鞭をとる。
代表作:OLFACTOSCAPE -シャネル5番の分解-(2012) オランダ・V2_にて展示。AROMASCAPE OF SINGAPORE (2011) シンガポール国立美術館にて展示。SMELL x ILLUSION -匂 x 幻 - (2010) オランダ・Urban Explorers Festivalなどがある。
ウェブサイト: www.ueda.nl
OKAMURA Design Space R
~アート、建築、デザインの協働の場として
OKAMURA Design Space R
それは、ニューオータニ・ガーデンコートのスペーシャスなオカムラ・ショールームの一画に、年に1度、全く斬新な企画で創出される展示とトークのための空間です。
毎回異なるジャンルの複数のアーティストが、アートの枠組みを超えサイエンスとインダストリーの新領域にまで踏み込む意欲的なコラボレーションを展開し、その知と美の新たな形式によって多領域に向けて確かなインパルスを発信します。
全体企画: OKAMURA Design Space R企画実行委員会
委員長 川向 正人 (建築史家、建築評論家、東京理科大学教授)
企画委員 芦原 太郎 (建築家)
北川原 温 (建築家、東京芸術大学教授)
内藤 廣 (建築家)
中村 喜久男(岡村製作所 代表取締役会長)
各企画展アーティスト
実行委員 各企画展アーティスト側責任者
岩下 博樹、萩原 圭一、鈴木 勇二、中村 留理、竹森 邦彦 (岡村製作所)
開催場所: オカムラ ガーデンコートショールーム内
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1
ニューオータニ・ガーデンコート3F
Tel: 03-5276-2001
主催: 株式会社岡村製作所
〒107-0052 東京都港区赤坂2-14-27
国際新赤坂ビル東館10F
Tel: 03-5561-4091
来場予定者: 一般来場者 (ポスター、メディア広告)
招待客 (ダイレクトメール郵送)
入場料: 無料
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