2012/08/23

すけべなパフォーマンスの薫香 

パフォーマンスに香りをつけて欲しい・・・というオファーは、世界中からたくさん来ます。時代のニーズですかね。でもじつは、パフォーマンスの中での匂いのポジションはなかなか難しいものです。パフォーマンスってそもそも、パフォーマーと複数観客との距離がほどよく保たれる空間があってこそ成り立つもの。匂いというのは、遠くからでも見えるものではないので、けっこうその距離が難しいんです。

よくあるように、ただ単にシーン毎に、異なる香りを焚くとか、そういうシンプルなことをやるだけだと能がない、とわたしは思うタイプ。やるなら、実験的なことをやって、誰もが過去に経験したことのないような、感動をともなう体験をしてもらいたい。それでこそ、エンターテイメントではなくアートだと思うのです。

そのため私がオリジナルに開発した道具をパフォーマーに使ってもらうことになります。それを理解してくれるかどうかはコレオグラファー次第・・・。

幸い、オランダのスケベニンゲンという街(ほんとうにあります)近辺のスケベな日本人たちが集まってできたパフォーマンス・グループ「すけべにんげん」が、そのスケベさ故か、そんな難しい垣根を越え、どんどん受け入れてくれました(笑)。私もふくめスケベな人間どもの作るものですから、当然スケベなパフォーマンスができあがります。それに蘊蓄つけて「日本的で五感的なエロティシズムの追求」なぞいろいろ説明文つけてかっこつけてみたりして・・・。

2010年に最初に上演した作品は「刺青 - The Tattooer -」。はい、まさに谷崎エロスの世界です。沈香とお焼香を、快楽と死をシンボライズして、焚き分けました。さすがに前者は遊郭で使われていた香り。沈むようなリラックス作用のある官能的な香りで、いわゆる「催淫作用」の類いに分類されます。若くて美しいCちゃんのパフォーマンスを、むらっと感ぜずに見終えるのはなかなか困難です(笑)。日本でやったらきっと文化施設からダメ出しくらうでしょうね〜。


The Tattooer from sukebeningen on Vimeo.



2作品目は、「月 - Moon - 」。真暗闇の中での「気配」をテーマにした作品。パフォーマーには、香りをしたためたジュリアナ扇を使ってもらうことにしました。ひとあおぎすればその風に乗って、けっこう遠くまで香りが届きます。



ここで使う香りは、夜中に咲く白い花の類いがいいだろうと思いました。よく夜中に公園を歩いていると、ふんわり漂う芳香があるはずですが、その主はたいてい白い花なんです。花は蛾に受粉してもらうために、いっしょうけんめい香りを放って蛾を誘うのです。ボーッと闇に浮き立つその白い色も、すべては蛾を誘うため。暗闇での女性の白い肌にも、吸い寄せられるような魅力があると思いませんか?(私はオテンバなため日焼けしており、まずアウトですが・・・)そんな自然の摂理への感動を、香りに込めました。イランイランを使っています。

Untitled from sukebeningen on Vimeo.



3作品目は、「四十八手」です。「四十八手」そのものについては、良い子のためのこのブログでご紹介するのは控えさせていただきますが(笑)太鼓が中心の愉快で躍動感にあふれるパフォーマンスです。そのため、紙吹雪をツールとして使いました。なんとなく、オーガズムの瞬間をイメージして(笑)。紙には桜の香りがしたためられており、それがひらひらと舞うときに香りが観客のもとに届くというわけです。




↑ロンドンにて行ったワークショップにて、実験中


↑桜の香りを独自に調香。


 Shijuhatte from sukebeningen on Vimeo.



さてここまで読まれた方達は、「次のパフォーマンスはいつ?!」と思われることでしょう・・・。日本での公演は上記に書いたような理由で実現は難しいかもしれませんが、オランダでは次回9月7日です。どうぞお楽しみに!

すけべにんげんオフィシャル・サイト
http://sukebeningen.org




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