Guerlain「MITSOUKO 」は花街の香り?

私は旅をするとき、よく空港の免税店に入ってはあらゆる香水をチェックしています。


先日友人とゲランの話をしたこともあり、久々に MITSOUKO の香りを嗅いでみました。


オードパルファムと、パルファムとが並んでいたので、パルファムの方を。


すると。あらら。これって、あの「伽羅の油」の香りとそっくりじゃない?


「伽羅の油」は、江戸時代初期の遊女が好んでつけていたといわれる「鬢付(ビンツケ)油」、つまりヘア・ワックスです。


現代でもお相撲さんがよくつけていらっしゃる鬢付が、似たような匂いを漂わせます。


ではなぜ私がその香りを知っているかというと、じつは2009年に展示のために、江戸時代のレシピをかなり正確に参照し、伽羅の油」を再現したからなのです。



↓作品詳細についてはこちらへ
http://www.ueda.nl/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&id=43&Itemid=78&lang=ja







「伽羅の油」がどんな香りかとひとことでいいますと、


「クラっとくる香り」


それだけでは肉桂(シナモン)などの生薬系の香りがきついのですが、これがまた髪の体臭とよく馴染み、油臭さを緩和させるのです。


夜の闇に、この香りを髪に漂わせる女性(遊女)が寄って来たら、誰だってそこは天国と、思うことでしょう。


さて、では肝心の問題に移りましょう。なぜ Mitsouko 香りが、「伽羅の油」に似てるのでしょう?


Mitsouko を調香したのは、ゲラン3代目のジャック・ゲラン。1919年のことです。


彼が何も無いところからこの香水を作ったわけではないでしょう。


「伽羅の油」を髪に塗りつけ、香りを優雅にた漂わせる、嗜みのあるその女性がもし、「ミツコ」という名前でなかったとしても、


モデルとなる実在の女性がいたのでは・・・と想像するのは邪推でしょうか。


Mitsouko。伝説の香水。こんな香りが似合う女性になれたらいいなあ・・・なんて思ってしまいますね。






お知らせです。


この「伽羅の油」を、ご希望の方に3000円でお分けします。先着5名様。現在オランダにおりますので、発送は日本に着いてから、3月となります。ご連絡ください。makiuedamaki [at] gmail.com






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