Emio Greco | PC

オランダが国を挙げて誇るホランド・フェスティバル Holland Festival が現在アムステルダムで開催されています。先月、ダンス・カンパニー Emio Greco | PC の7人のダンサーから汗を抽出してパフュームを作りましたが、それはこのフェスティバルで発表するためでした。

今回カンパニーは Purgatorio という新作を発表しているので、プレミアを観てきました。


会場のロビーで販売されているカタログ Purgatorio の中に、私のプロジェクトが全面的に紹介されています。


私が制作したパフューム。7人の匂い、7本セット33ユーロ。ご希望の方は、カンパニーの方へお問い合わせください。



Purgatorio は、息を呑む暇もないパフォーマンスでした。最初は7人のユニゾンによる激しい動きで、彼らのパワフルな呼吸が会場に響き渡ります。あたかもその呼吸や手足の動きによって、会場に風が吹くかのようでした。

ステージも光をキラキラと反射する素材でできているので、ダンサーの動きによって会場の天井に光が揺らめきます。まるで教会にいるかような錯覚を覚えました。

そしてパフォーマンスが進むと、7人のダンサーがなんとギターを奏で始めるんです! ダンサーが音を担当・・・。しかもパフォーマンスしながら・・・。こんなにボリュームたっぷりのパフォーマンスは未だ目にしたことありません。関係者に聞くところ、やはり完成に1年半の歳月を要したとか。

途中、あのエミオ・グレコが登場しました。彼の一瞬の登場は、ステージの雰囲気をそれだけでガラッと変えてしまったような印象です。どこなくロボットのような、動物のような・・・とにかく人間ではない、まったくありえない「生命体」の動きなのです。もともと伊藤キムや森山開次などの系統が好きで、学生時代から見に行ったりしていたので、すっかり魅入ってしましました。

パフォーマンスの後は、カンパニー主催のパーティに出席し、エミオら7人のダンサー達と歓談しました。これまで彼らの匂いはさんざん嗅いでいましたが、実際の本人を拝むのはこれが初めて。じつはパフォーマンスを見ながら、頭の中で「あの匂いはこの人のかな」なんて見当をつけたりしてたのですが、それが全く外れていたのにはビックリです。

完成したパフュームを嗅いだ人がよく驚くのですが、

「ふつう想像されるような臭い汗ではなくて、いい汗の匂いだね」

それはパフォーマンスを見て、納得したのでした。あんなに激しい動きなのだし、まったく無駄のない美しい体つきの彼らだもの、透明でキレイな汗のはずです。

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