匂う絵の具の作り方(レシピ)

コドモ匂いワークショップ Nose Painting 用
クリスチーナ・アンダーセン & マキ・ウエダによるオリジナル・レシピ

よく料理に使うハーブやスパイスなどの匂いを使って、手軽に「匂う絵の具」を作ってみましょう。絵の具ができたら、すぐにそれで絵を描いてもらいましょう。夕食の支度をしてる横で子どもと一緒に作れます。万が一子どもが口にしてしまうことも考えて、材料は全て台所で使われているものを使います。

ふつう料理には使わないような意外な匂いのコンビネーションを考えるのも楽しいです。ラベンダーとペッパー・・・、緑茶とシナモン・・・ 子どもは既成概念を気にしないので、自由な組み合わせを楽しんでくれるでしょう。親子で新たな「発見」をしてください。

描いた絵はそのままでしばらく匂い続けますし、密封しておけばもっと長持ちします。目を瞑って絵の上の匂いを辿ってみてください。


[ベースの作り方]

100mlの絵の具 12種類分

(1) 1200ml 牛乳(脂肪分の高いもの)
(2) コーン・スターチ 20g  40ml の冷たい牛乳に溶かしておく
(3) クエン酸 小さじ4 (酸化防止のため。レモン汁で代用可。)


(1)をゆっくり温めます。
その間に(2)を大きなボウルに用意しておき、(1)が沸騰する前に(2)に流し込みます。
よく混ぜ、また鍋に戻して温めます。
こんどはよくかき混ぜながら。
ポタージュのようなテキスチャーになったら、火を止めます。
(3)を少しずつ加えて混ぜます。
(冷めたとき、カスタードのようなテキスチャーになります。)

小瓶12個に100mlずつ分けます。



[スパイスを加える]

粉状に轢いたスパイスやハーブを、大さじ1〜2加えます。
もし水分が足りなくボサボサになった場合は、牛乳を足してください。



[知っておきたいこと]

*轢きたてのフレッシュなスパイスがいちばん香ります。

*轢く前に厚手のフライパンで弱火で軽く煎ると、もっと匂いの立ち上がりが良くなります。

*スパイスを轢くのに擂鉢や乳鉢を使ってもいいですが、コーヒーミルも便利です。

*色彩の強いハーブ、例えばラベンダー/緑茶/キンセンカなどには、焼きミョウバンを使うといいです。ほんのひとつまみ入れてみてください。焼きミョウバンを使わないと全ての絵の具は1日も経てば茶色になってしまいます。なので元々が茶色でないものに加えるといいです。


(左:焼きミョウバンを加えたラベンダー、右:何も加えないラベンダー)



*(3)を加えるのは、酸化による色彩変化を防ぐためです。これを加えると、絵の具も1週間くらいは冷蔵庫で保存可能ですし、色も変わりません。(匂いはずっと弱まりますが)この分量を加えると、pH値は2まで下がります。


(焼きミョウバンを加えたラベンダーにさらにクエン酸を加えているところです。)

[ベルギーでのワークショップで使った匂い]

  • lavender ラベンダー
  • green cardamon グリーン・カルダモン
  • green tea Sencha 緑茶(煎茶)
  • coriander seed コリアンダー
  • vanilla バニラ
  • juniper berry ジュニパー
  • cinnamon シナモン
  • star anise 八角
  • kentjoer (?)インドネシア/中華料理に使われる根
  • kaffir lime leaves ライム・リーブ
  • violets 3 colors バイオレット3色
  • aniseed アニシード
  • fennel seed フェンネル
  • clove buds クローブ
  • nutmeg ナツメグ
  • ginger ジンジャー
  • calendula flower キンセンカ

オランダ語・フラミッシュ語圏で親しまれているスペキュラースというハーブ・ミックスをベースに用いることにしました。スペキュラースはクッキーによく使われ、シナモン・ナツメグ・クローブ・ジンジャー・カルダモン・アニシードなどで構成されているのですが、それがあまり知られていないからです。日本の七味みたいなものですね。

スペキュラースを主役にして、全体の匂いに幅とバランス持たせるような脇役を選びました。花と葉、スパイスとハーブ、西洋と東洋、トップノートとベースノート etc etc・・・ 色彩もパレット選びの重要な要素です。


(全てラベンダーです。何を加えるかが色彩の決め手なのは明らか)

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