天然の精油は、エコではなくエゴ

きょうは、オーガニックとかエコとか好きな方からは

反感買うような記事かも。

でもね。

ふだん「オーガニックの野菜とかしか食べてなさそう!」といわれる、そんな私が

(実際は、「ふつうに安くて新鮮であればいい」なのですが...)

大自然の中に住むようになって、考えたことです。











アロマテラピーの流行もあり、一般的には

「天然の、精油しか、使っちゃいけない。
他は、体に悪いから。特に合成香料。
やっぱり、オーガニックがいちばん」

といった「天然・オーガニック」信仰がありますよね。

私も学生の頃(30年くらい前)エコロジーにハマり、

当時はまだエコという言葉もあまり知られてなかったけど、

それで卒論を書いたほどでした。



実際に大自然の中に暮らしてわかってきたことがあります。



天然の精油、

たとえば、天然のローズとかジャスミンは、

ほんのわずかの精油を得るのに、

どれだけの花を使うかご存知ですか?

確かローズは、1トンでわずか数mlしかとれないのではなかったかな。


本来なら、ミツバチがローズの蜜を吸って、栄養を摂って、

その見返りに花もミツバチさんに受粉してもらって、

やがて花が種となって、それを鳥が食べて、運んで、

糞に守られるようにあたらしい芽をつけて...

そういった壮大なサイクルの流れの一部の状態でしかないんです。花は。

花を大量に摘み取ることは、

その自然の流れを断ち切ることと等しい。



香りは、人間のために作られたものではない。

ミツバチやアリさんのものなんです。

自然界の生存・繁栄のために

作られたものなのです。




天然の精油を使うことは、エコでもなんでもない。

人間のエゴなのです。



なので、天然の精油を使うときは、

そんなエゴと向き合いながら

大切に使わさせていただかないとね。

そのため私は、

人間が人間のためにデザインした

合成香料をなるべく上手に取り入れるようにしています。




石垣島に暮らし、たくさんの珍しい香りの植物に囲まれ、

好奇心から様々な抽出を行なっていると

その商品が欲しいという人がやってきます。おもに都会から。

やはりアーティストの発見って、商業価値があるのでしょうね。



でも私は断固として商品化をお断りします。

理由は、もちろんコスパが悪いというのもありますが、

そうすることで島の生態系を変えてしまうかもしれない、

と考えるからです。



商品化するとしても、

自分の手作業で、ひとりで行えるような規模でありたい。


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